10.アクションプラン
アカウントプランの一部、営業シナリオの一部になる「アクションプラン」の作成について、解説します。

10.アクションプラン

●以下は、(3)アクションプラン の作成に活用する「アクションプランのフレームワーク」についての説明です。

 

(1)競合他社分析:絞り込んだ案件について、
競合他社を想定したうえで、①「事実確認」をして、②対策を「分析」する。

 

(2)営業シナリオ:(1)競合他社分析を基にして、
競合他社に打ち勝って「自社が選ばれるためのストーリー=営業シナリオ」を作成する。

 

(3)アクションプラン:(2)営業シナリオを基に、
営業シナリオを実現するための具体的なアクションについて、「5W1H(固有名詞と数字)」で表現した 「アクションプラン」を作成する。

 

「アクションプラン」は、「営業シナリオのフレームワーク」を基に、以下の考え方で作成します。

 

全体から部分へ(=概要から詳細へ)、作成します。
  ↓
②自社のビジネスの進捗スピードに合わせて、6ヵ月から9ヵ月程度の期間で、受注に到るまでの営業活動を俯瞰します。
   ↓
➂俯瞰した上で、営業シナリオ上の「Key Milestone(=これを達成しなければ ビジネス案件の受注に到らないという重要項目)を設定します。
例えば、「初期段階の情報収集」・「競合他社との差異化」・「RFP作成への参画」などを、
Key Milestone として、時系列に設定します。
 →ここでは、「トップダウン思考・逆算思考のフレームワーク」によってKey Milestoneを考え、
  それを時系列に沿って配置していくことが有効な手法です。
  *Key Milestone: これを達成しなければ ビジネス案件の受注に到らないという重要項目
  ↓
④直近1ヵ月間程度(概ね 4~6週間)のKey Milestoneについて、5W1H(固有名詞と数字)を具体的に設定します。
ここで重要なことは、以下の通りです。
 ⓐ必要なアクションは、「複線的・同時並行的」に進めるように、設定する。
  「Aのアクションが終わるまで、Bのアクションを始めない」のではなく、
  Aのアクションが終わる前に、並行してBのアクションの「準備」をしておく、という考え方です。
  ↓
 ⓑ5W1Hの WHO は、「お客様」であり、同時に営業活動をする側の「実施責任者」です。
  アカウントプランは、「企業や組織としての営業活動」(=組織営業)を前提にしているので、
  「実施責任者」は、常に担当者(自分自身)である、とは限りません。 
  営業部長・SE部長、時には自社の役員もまた、「実施責任者」になります。
  「実施責任者」が「営業担当者」ばかりになっているアカウントプランは、アカウントプランの
  目指す「企業としての組織力を発揮したうえでの、戦略的・効率的な営業活動」とは異なる営業活動
  が中心になっている可能性が、非常に高くなります。

 

  同一のビジネス案件を獲得しようとする競合他社もアカウントプランを作成していて、各アクション
  の実施責任者に役員・部長等の上位役職者が含まれている場合、
  当社の多数のコンサルティング事例が示すように、競合他社があなたの所属する会社に勝って、
  ビジネス案件を獲得する可能性が高くなります。
  また、WHEN は、「実施期限・完了期限」を意味しますが、アクションプラン作成時点で、
  確定できない場合には、暫定的な日時であっても、プランとして必ず期限を設定します。
  これは、アクションプランを基にPDCAサイクルを回す際に、期限が設定されないと、PDCAが機能
  しないからです。
  ↓
 ⓒアクションプラン作成の時点で、5W1Hのうちの未確定な事項は、未確定のままで良いので、
  一旦、「仮に決める・仮置きすること」が必要です。
  ↓
 ⓓ5W1Hは、固有名詞と数字で記載します。
  例えば、「お客様」ではなく「(ABC社)国枝部長」、「5月上旬」ではく「5月10日」と記載
  します。
  営業シナリオやアクションプランの作成時点で、固有名詞と数字で記載できないことは、後から確定
  する前提で、TBD(To Be Defined)或いは 仮、としておき、ある時点で固有名詞と数字に置き換え
  ます。
  ↓
➄営業シナリオ・アクションプランは、完璧なものを作成することよりも、営業活動の進展に伴って、
継続的に修正・更新を行ってブラッシュアップすることが、実戦での活用方法です。

 

●「アクションプラン」は、企業としての統一フォーマットを決める場合と、決めない場合があります。
それは、各企業が実用上問題が無いように定めれば良いものです。
フォーマット自体も、ガントチャート形式・箇条書き等、実用上、使い易い形式にすることが必要です。
一般的には、Key Milestoneは 逆算思考・トップダウン思考で考えても、アクションプランは、分かり易くするために順を追って通常の時系列の記述で作成します。
最も重要なことは、形式にこだわることではなく、「実際の営業活動に活用できる」ことです。

 

●以下は、「6・9ヵ月アクションプラン」の作成例です。
上に示した、②・➂に沿っています。

 

②自社のビジネスの進捗スピードに合わせて、6ヵ月から9ヵ月程度の期間で、受注に到るまでの営業活動を俯瞰します。
   ↓
➂俯瞰した上で、営業シナリオ上の「Key Milestone(=これを達成しなければ ビジネス案件の受注に到らないという重要項目)を設定します。
例えば、「初期段階の情報収集」・「競合他社との差異化」・「RFP作成への参画」などを、
Key Milestone として、時系列に設定します。
 →ここでは、「トップダウン思考・逆算思考のフレームワーク」によってKey Milestoneを考え、それを時系列に沿って配置していくことが有効な手法です。

 

 

 

●1ヵ月アクションプランは、先ほど記載の④・➄考え方で作成します。

 

直近1ヵ月間程度(概ね 4~6週間)のKey Milestoneについて、5W1H(固有名詞と数字)を具体的に設定します。
ここで重要なことは、以下の通りです。
 ⓐ必要なアクションは、「複線的・同時並行的」に進めるように、設定する。
  「Aのアクションが終わるまで、Bのアクションを始めない」のではなく、
  Aのアクションが終わる前に、並行してBのアクションの「準備」をしておく、という考え方です。
  ↓
 ⓑ5W1Hの WHO は、「お客様」であり、同時に営業活動をする側の「実施責任者」です。
  アカウントプランは、「企業や組織としての営業活動」(=組織営業)を前提にしているので、
  「実施責任者」は、常に担当者(自分自身)である、とは限りません。 
  営業部長・SE部長、時には自社の役員もまた、「実施責任者」になります。
  「実施責任者」が「営業担当者」ばかりになっているアカウントプランは、アカウントプランの
  目指す「企業としての組織力を発揮したうえでの、戦略的・効率的な営業活動」とは異なる営業活動
  が中心になっている可能性が、非常に高くなります。
  同一のビジネス案件を獲得しようとする競合他社もアカウントプランを作成していて、各アクション
  の実施責任者に役員・部長等の上位役職者が含まれている場合、当社の多数のコンサルティング事例
  が示すように、競合他社があなたの所属する会社を打ち負かして、ビジネス案件を獲得する可能性が
  高くなります。
  また、WHEN は、「実施期限・完了期限」を意味しますが、アクションプラン作成時点で、
  確定できない場合には、暫定的な日時であっても、プランとして必ず期限を設定します。
  これは、アクションプランを基にPDCAサイクルを回す際に、期限が設定されないと、PDCAが機能
  しないからです。
  ↓
 ⓒアクションプラン作成の時点で、5W1Hのうちの未確定な事項は、未確定のままで良いので、
  一旦、「仮に決める・仮置きすること」が必要です。
  ↓
 ⓓ5W1Hは、固有名詞と数字で記載します。
  例えば、「お客様」ではなく「(ABC社)国枝部長」、「5月上旬」ではく「5月10日」と記載
  します。
  営業シナリオやアクションプランの作成時点で、固有名詞と数字で記載できないことは、後から確定
  する前提で、TBD(To Be Defined)或いは 仮、としておき、ある時点で固有名詞と数字に置き換え
  ます。
  ↓
➄営業シナリオ・アクションプランは、完璧なものを作成することよりも、営業活動の進展に伴って、
継続的に修正・更新を行ってブラッシュアップすることが、実戦での活用方法です。

 

 

また、このような作成例もあります。

 

 

以上で、アカウントプランの作り方・使い方に関する解説は、一旦終わりになります。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

 

当サイトの情報が、皆さまの営業活動に有効活用いただけることを願っています。

 

 

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